風標

かざじるし

淳のこと①

自分の創作に登場する鳴見淳くんについてのご質問を頂いたのですが、過去ツイートをうまくみつけられなかったのでここに書き留めておきます。

 

 

簡単な紹介:

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鳴見 淳(なるみ きよし)

「緋衣の竜殺し」シリーズに登場する主人公(左月)の親友の少年です。

いつもへらへら笑っていますが、誰よりも慎重で、他人に本心を明かすことは滅多にないです。

左月(さげつ)の幼馴染であり、彼に強い感情を寄せ、左月の恋人である淡雪(あわゆき)という少女とは仲が良くありません。

烈子(れつこ)という大切な女性がいます。

 

詳しい紹介:

淳は親友の左月と憧れの女性である烈子を中心に世界が回っており、それ以外のことには強い関心がありません。

また、彼の実家・鳴見家は退魔の名門ですが、怪異退治を生業とする自分の家のことが嫌いです。

その最大の理由は、彼の母親にあります。

この家の現当主である彼の母親・美永子(みえこ)は、自分の子供を優秀な狩人としか考えておらず、鳴見家の益になることであればどんなおぞましいことも顔色ひとつ変えずに実行してしまうような女性です。

淳は彼女のような人間にはなりたくないと考えているようですが、自分が母の血を色濃く受け継いでいるという認識があり、己の中にも彼女とよく似た冷徹さがあることをひどく恐れています。

 

母親からのまっとうな愛を受け取ることが出来なかった幼い頃の淳は、常に孤独と不安を抱えていました。

しかし、彼はずっと孤独の中で過ごしていたわけではありません。

鳴見家には一族の成り立ちと深い関わりのある竜族の女性・烈子が幽閉されており、この優しい竜の世話係を命じられた淳は、彼女と次第に心を通わせていきます。

なお烈子は何百年にも渡り鳴見家に閉じ込められており、一族の残酷な実験の道具に使われた過去もあるため、淳が実家を嫌いなのはこのことも関係しています。

淳にとって烈子は初恋とも呼べる存在ですが、彼女の中に「理想の母親」を捜し求めている節もあり、その慕情は複雑なもののようです。

 

烈子のほかには、小学生になってから出会った唯一無二の親友・左月が彼の心の拠り所でした。

左月は淳と違い、ごく普通の家庭に生まれた少年です。霊感もなければ、怪異の存在すら知りません。これまで普通の人間と接する機会が少なかった淳にとって、左月との出会いはすべてが驚きに満ちていました。

そして何よりこの友人が呆れるほど諦めの悪い性格だったことは、現在に至るまで淳に大きな影響を与えています。

歪な家庭で育ち幼い頃から諦めぐせがついていた淳は、何事にも正面から向き合い、一度決めたことはなかなか諦めない左月の姿に深い感銘を受けました。

淳にとって烈子は「あこがれ」ですが、左月の存在もまた「あこがれ」の一つであることは間違いないようです。

 

 

淳の兄や父のことも書こうと思いましたが思いの外長くなりそうなので気が向いた時につづくかもしれません。